ダイヤル7をまわす時(泡坂妻夫)

ダイヤル7をまわす時

ダイヤル7をまわす時

50ページ、「ダイヤル7」を読み終えたところまで。
いわゆる犯人当て。
元警官が講演会において昔の事件を犯人当て形式で語る、というお話。
伏線があからさまなので、元警官の話の部分だけを取り出して読めば、わりとすぐに犯人の見当はつく。
くせ者なのが、この話自体が講演会で語られているということ。
このために、犯人を推定できたとしても、なかなか確定しにくくさせている。
が、最後で、この講演会というシチュエーションそのものが、だましの要素になっていることが明らかになる。
また、タイトルにもなっているダイヤル7にまつわる謎と推理と真相は、単純ではあるが、それゆえ、あっと言わされた。
秀作である。