赤朽葉家の伝説(桜庭一樹)

赤朽葉家の伝説

赤朽葉家の伝説

確か一日から読み始めたので、ちょうど二週間で読了ということになるのかな。
ハードカバーとはいえそれほど厚い本ではないのに、時間駆けすぎという気もしますが…それはさておき。
戦後日本の歴史を追いながら、赤朽葉家の三代にわたる物語を三代目の「私」である赤朽葉瞳子が記述する形式。
三部構成になっていて、それぞれ一代で一部を構成しているのだけれど、二部までは特に「ミステリー」らしい事件は起きず(もちろん物語上の事件は起きるが)、これって、本当にミステリーなのか?と不安になりながら読み進めていましたが、三部の前半にて、この物語の一代目であり「私」の祖母にあたる赤朽葉万葉の口から発される一言から、ミステリとしての姿を見せ始める。
読み終えてみると、伏線がきっちりと張られたれっきとしたミステリであることがわかる。
その伏線を成り立たせるため、或いはネタを生かすために時代設定、人物設定がされたのでしょう。

まあ、悪くはないんだけれど、このネタでこの分量は、ちょっと長いよ…。