奇偶(山口雅也)
読了。
なんだろう、この奇妙な感じは…。読み終えてすっきりしたような、でも、依然としてどこか引っかかるところがあるというか。
極端な話を言うと、「だってそうなんだもん」と開き直りまくって成立したミステリなんだよね。
「どうして偶然が重なったのかを説明する物語」ではなく、「偶然と人が認識する時にその場にいたもの視点から語られる物語」とでもいうべきなのかな。
ノベルス版の帯には、ミステリ四大奇書*1の系譜に連なる作品と書かれている。
確かに、衒学性、異常性、メタ性、どれをとっても四大奇書が持つ特性に当てはまるし、今後五大奇書、という言い方が広まっても問題はないんだけど、こういうのって出版者側が敢えて書かないといけないようなことでもないよね。